南米のチリという国には、絶海の孤島と言われるイースター島がある。
そのイースター島の住民の生活が今非常に脅かされている。
イースター島の悲劇の再来ともいえる状況だ。
なぜなのか簡単に説明しよう。
イースター島への定期便の運航停止
閉鎖された環境にあるイースター島にコロナウィルスが入らないようにするため、政府はチリ本土とイースター島で運行されていたLATAMの便すべてを2年前に運航停止させた。
だから、島からの出入りは本土からの物資供給と緊急時の本土への移動のみに限られるため、観光業で成り立っていたイースター島は大変な状況になった。
大変な失業率
上記で述べたように、観光業は大切な財源だったが、今は島を訪れる観光客はいない。
2年間続いたこの閉鎖政策は、今年2022年2月に政府によって解除される予定だったが、本日4月22日現在、その制限解除は徐々に延期されており、実現していない状況にある。
イースター島の人口は、およそ8000人ほどだが、失業率は58%となり危機感を募らせている。
失策という声も上がっているので悲劇的である。
食料などの基本的な商品の高騰
南米は日本に比べて食料品が概して安い。
それにもかかわらず、ほとんど物をを作り出すことのできないイースター島では、チリ本土から送られてくる物資に頼らざるを得ない。
もちろん言い値で買わされることになる。
現在高騰している商品の一例を以下に挙げよう。
・パン1キロ 3800ペソ (約583円)
・トマト1キロ 6000ペソ (約920円)
・レモン1キロ 6000ペソ (約920円)
・卵1ダース 12000ペソ (約1841円)
*上記金額は2022年4月現在
日本人から見ると、たいしてこれら商品の値段が高いとは感じないかもしれないが、本来物価の安い国の人々から見れば、信じられない値段である。
もちろん島の人々の収入は日本人のそれとは比べらものにならない。
だから、パンや卵といった毎日の食卓に欠かせないものがこれだけ高額になると食べることができないのであるので悲劇と言える。
イースター島の悲劇を一時的に乗り越える策とは?
幸いなことに、バルパライソの地域評議会は、イースター島の「ProEmpleo」という特別プログラムを2022年6月まで延長すると発表した。
この措置により、多くの予算が組まれ、観光業で大打撃を受けた760人の島民が恩恵を受けることになる。
パンデミックが終わったら、人生一度でいいから謎に満ちたイースター島へ行ってみよう。